貧乏が本当に恐ろしいのは、自分ひとりだけが取り残されたように感じる、みんなが豊かなときの貧乏だよ。
周囲が次々に高級ブランドを身につけ、新築の家を建て、最新の家電を揃えていく中、自分だけが古びた靴を履き、冷えた部屋で即席ラーメンをすする。
そのときに感じる「差」は、ただの金銭的な貧しさを超えて、心を締めつけるような孤独感や劣等感となって襲いかかってくる。
でも、もしもだ。日本国中、いや地球規模で、みんなが一緒に貧乏だったらどうだろう?
おそらく、それはそこまで苦しくない。想像しているほどには、キツく感じないと思うんだ。
みんなで寒ければ、その寒さはただの「季節」になる。みんなで空腹なら、それは「習慣」になってしまう。相対的な貧しさほど、精神をむしばむものはないと、ボクは思っている。
あまりにも狭い視野で物事を見るなよ。
ペリーが黒船で来航して、不平等条約を結ばされたときだって、ちゃんと立ち上がる英雄が現れたじゃないか。
誰もが諦めかけたその瞬間に、時代を動かす力が生まれる。それが歴史の流れだよ。
人類史上初の原子爆弾を、しかも2発も落とされて、瓦礫と化した国土の中から、それでも立ち上がったのが日本という国だった。
あのときの日本人の根性と魂を、ボクたちは忘れてはいけない。
だから、そんなに慌てるな。騒ぐな。右往左往しても、ろくなことはない。
もっと、自分という存在に自信を持て。
低迷する株価をなんとか少しでも上げようとして、躍起になってあくせくするよりも、いっそ思いきって日経平均が500円くらいまで落ちたらどうだ。
そこまでいけば、絶対に真のヒーローが生まれる。間違いない。
……って、それがボクだったらカッコいいんだけど、そこまで胸を張れないところが情けない。
だけど少なくとも、それはオレじゃない!ってことだけは、声を大にして言える。
それでも、ボク以外の日本人の誰かが、日本を立て直してくれるって信じている。
たとえそれが他力本願だと言われようとも、それがボクの確信なんだ。
根拠?そんなもの、ないよ。だけど、もしそうじゃなかったら、この世界に神も仏もいないことになっちゃうだろ?
希望を捨てたら、もう人間じゃない。夢を見る力が、日本には、そしてボクたちには、まだ残ってる。
そして最後に言いたいのは、日本に今本当に必要なのは、「規制」とか「管理」とか、そんな堅苦しいものじゃない。
むしろ、既存の秩序がガラガラと音を立てて崩壊するような、大きな揺さぶりがいる。
常識が壊れ、ルールが壊れ、その中から新しい秩序が生まれる。
それを恐れちゃいけない。そう、ケセラセラなのだよ。なるようになる。
そんなわけで、今日もまたボクは本を読んでいる。
それがきっかけで、何かしらの「リバウンド」が生まれることを、どこかで期待しながら。
本のページをめくる指先に、まだ未来への希望を握りしめながら。