川村葉音被告の父親が法廷で語った「殴られたら殴り返せ」という発言が注目されています。
この言葉だけを見ると、かなり強い印象を受けます。
ただ、報道を確認すると、この発言は北海道江別市で起きた大学生集団暴行死事件そのものについて直接語られたものではなく、川村葉音被告が高校時代にいじめを受けていた時の話として出た証言でした。
川村葉音被告の父親は、なぜ「殴られたら殴り返せ」と話したのか。
高校時代のいじめ、父親の教育方針、法廷で出た「ケースバイケース」という証言を見ていきます。
事件の概要は?
川村葉音被告の父親の発言が注目された背景には、北海道江別市で起きた大学生集団暴行死事件があります。
この事件では、男子大学生が集団暴行を受けて死亡し、複数の男女が強盗致死などの罪に問われています。
父親の「殴られたら殴り返せ」という発言も、川村葉音被告の情状や家庭での関わりを確認する中で出たものです。
江別市で起きた大学生集団暴行死事件
事件は2024年10月、北海道江別市の公園で起きました。
FNNプライムオンラインによると、この裁判は江別市の公園で大学生の長谷知哉さんを暴行して死亡させたうえ、現金などを奪ったとして、川村葉音被告ら男女3人が強盗致死などの罪に問われているものです。
大学生が集団で暴行を受けて死亡した事件として、北海道内外で大きく報じられました。
裁判では、事件当日の暴行の経緯、金品を奪う意図がいつ生じたのか、被告らの役割などが争点になっています。
札幌地裁は強盗致死罪成立の中間判断
札幌地裁は2026年6月3日、強盗致死罪が成立するとの中間判断を示しました。
FNNプライムオンラインでは、裁判所が「金品の要求が始まった後の約2時間に及ぶ暴行によって長谷さんが死亡した」として、強盗致死罪が成立するとの考えを示したと報じています。
また、UHB北海道文化放送も、金品を奪う意図が生じたあとの暴行が長谷さんの死亡につながったと札幌地裁が認定したと伝えています。
この中間判断によって、川村葉音被告らの裁判は量刑や情状面にも焦点が移っていきました。
父親は証人として出廷
川村葉音被告の父親は、2026年6月3日に札幌地裁で開かれた裁判員裁判に証人として出廷しました。
HBC北海道放送は、川村葉音被告の父親が出廷し、「できるだけの賠償の交渉をしたい」と述べたことを報じています。
父親は、被害者や遺族への謝罪、賠償行為への考え、川村葉音被告との事件前の連絡状況などについて証言しています。
その中で、高校時代のいじめに関する質問があり、「殴られたら殴り返せ」という発言が出ました。
川村葉音被告の父親「殴られたら殴り返せ」発言とは?
川村葉音被告の父親に関する報道で、特に大きく扱われたのが「殴られたら殴り返せ」という言葉です。
この発言は、父親が事件当日の暴行を語った場面ではなく、川村葉音被告が高校時代にいじめを受けていた時の対応について質問された中で出ています。
言葉の印象だけが先に広がりやすい部分ですが、法廷証言の流れを見ると、いじめへの対応として父親が何を伝えていたのかが問われた場面でした。
高校時代のいじめに関する質問で出た発言
HBC北海道放送の記事では、弁護側が父親に対し、川村葉音被告が高校生のころにいじめにあったと聞いたが、当時学校に抗議したのかと質問しています。
父親は、学校に相談したと答えています。
その後、いじめの中で「やられたらやり返していい」と指導したのかを問われ、父親は認める趣旨の証言をしました。
つまり、「殴られたら殴り返せ」という言葉は、川村葉音被告の高校時代のいじめに関する話の中で出たものです。
UHB報道では「やられたらやり返せ」とも
UHB北海道文化放送も、川村葉音被告の両親が出廷したことを報じています。
その中で、弁護側から「高校時代にいじめを受けた際、『やられたらやり返せ』と指導していたのか」と問われ、父親が「殴られたら殴り返せと話していた」と述べたと伝えています。
ここで出てくる「やられたらやり返せ」と「殴られたら殴り返せ」は、報道上でも近い文脈で扱われています。
ただし、どちらも事件当日の行動を指示した言葉ではなく、高校時代のいじめへの対応として語られた証言です。
「暴力を肯定した」とまでは断定できない
「殴られたら殴り返せ」という言葉は、かなり強く聞こえます。
しかし、報道されている父親の証言を見る限り、この発言だけをもって「父親が暴力を肯定していた」と断定することはできません。
STV札幌テレビは、父親が「やられたらやり返すように教えていた」としたうえで、暴力をふるうことについても「ケースバイケースだと伝えていた」と報じています。
父親の教育方針として厳しい言葉があったことは報じられていますが、その発言がどこまで具体的な行動に影響したのかは、現時点で確認できていません。
川村葉音被告はいじめを受けていた?
川村葉音被告の父親の発言が出たのは、川村葉音被告が過去にいじめを受けていたという話が法廷で扱われたためです。
弁護側は、高校時代や大学時代の経験が川村葉音被告の性格や事件当日の行動に影響した可能性を主張していると報じられています。
ただし、いじめの経験があったことと、今回の事件の責任をどう判断するかは別の問題です。
高校時代のいじめについて父親が証言
STV札幌テレビは、川村葉音被告が受けていたいじめについて父親が問われ、暴言を受けたり、飲み物に何かを入れられたり、靴を隠されたりしていたと証言したと報じています。
さらに、川村葉音被告が「死にたい」と自殺をほのめかしていたという父親の証言も伝えられています。
この証言からは、高校時代にかなり深刻な悩みを抱えていた様子がうかがえます。
父親が「殴られたら殴り返せ」と伝えた背景には、そうしたいじめへの対応があったとみられます。
弁護側は高校・大学時代のいじめ経験に言及
STV札幌テレビによると、弁護側は川村葉音被告が高校・大学時代にいじめを受けていた経験から、周りの空気に流されて従ってしまうような性格だとして情状酌量を求めました。
つまり、弁護側は過去のいじめ経験を、川村葉音被告の人物像や事件当日の行動を考える材料として示しているとみられます。
一方で、検察側は、川村葉音被告が早い段階で暴行を加えていたことや、クレジットカードを奪ったあとも暴行していたことを指摘し、情状酌量の余地はないと主張したと報じられています。
裁判では、弁護側と検察側で評価が大きく分かれている状況です。
いじめと事件の関係は慎重に見る必要がある
川村葉音被告が高校時代や大学時代にいじめを受けていたとする証言は、法廷で出ています。
ただし、そのいじめ経験が今回の事件に直接つながったと断定できる情報は、現時点で主要報道では確認できていません。
過去につらい経験があったとしても、事件で被害を受けた長谷知哉さんの死亡という結果が軽くなるわけではありません。
法廷では、過去の経験や家庭環境を含めて情状が審理されますが、最終的な判断は裁判所が示すことになります。
父親の教育方針はどう見られている?
川村葉音被告の父親の「殴られたら殴り返せ」という発言は、家庭でどのような教育方針だったのかという関心にもつながっています。
ただ、父親の教育方針の全体像が報道で詳しく明らかになっているわけではありません。
現時点で確認できるのは、いじめを受けていた川村葉音被告に対して、父親が強く反撃するような言葉を伝えていたという証言です。
「やられたらやり返す」はいじめ対応の文脈
父親の発言は、いじめへの対応として語られたものです。
HBC北海道放送では、父親が高校時代のいじめについて学校に相談したこと、そのうえで「やられたらやり返していい」と指導したのかを問われ、認める趣旨の証言をしたことが報じられています。
この流れを見ると、父親は川村葉音被告が一方的にやられることを心配し、抵抗するよう伝えていた可能性があります。
ただし、その言葉が適切だったのか、川村葉音被告がどう受け止めたのかまでは、報道だけでは分かりません。
「ケースバイケース」とも伝えていた
STV札幌テレビは、父親が暴力について「ケースバイケースだと伝えていた」と報じています。
この証言は、「殴られたら殴り返せ」という強い言葉とあわせて見る必要があります。
父親は、すべての場面で暴力を認めていたというより、状況によるという考えを伝えていたようです。
とはいえ、「ケースバイケース」という言葉だけでも、どういう場合なら許されると考えていたのかは報道からは詳しく分かりません。
発言だけで父親像を決めつけることはできない
「殴られたら殴り返せ」という一言だけで、川村葉音被告の父親がどんな人物だったのかを断定することはできません。
法廷では、父親が被害者と遺族に謝罪し、賠償行為についても考えを述べています。
HBC北海道放送では、父親が被害者や被害者家族に謝罪し、「できるだけの賠償行為をしたい」と述べたことも報じられています。
父親の証言には、加害者家族としての謝罪、娘への思い、過去のいじめへの対応など、複数の要素があります。
そのため、発言の一部分だけで父親像を決めつけるのは難しいです。
「殴られたら殴り返せ」発言と事件の関係は?
川村葉音被告の父親の発言が注目されるのは、今回の事件が集団暴行死という重大な結果を招いた事件だからです。
「殴られたら殴り返せ」という言葉が、事件と関係しているのではないかと感じる人もいると思います。
ただし、現時点の主要報道では、この発言が事件の直接的な原因だったとは示されていません。
法廷では情状面の一つとして扱われた
父親の発言は、川村葉音被告の情状面を審理する中で出たものです。
STV札幌テレビは、強盗致死罪成立の中間判断後、川村葉音被告ら3人の裁判が分離され、情状や量刑について審理が進められると報じています。
その中で、川村葉音被告の過去のいじめ経験や、父親との関わりが証言として出てきました。
つまり、「殴られたら殴り返せ」という発言は、事件そのものの実行行為ではなく、川村葉音被告の成育歴や家庭での指導を知る材料の一つとして扱われたと考えられます。
事件当日の暴行とは別に見る必要がある
今回の事件で問われているのは、長谷知哉さんへの暴行、金品を奪う意図、暴行と死亡結果の関係です。
UHB北海道文化放送は、金品を奪う意図が生じた後の暴行が特に激しく、死因となった外傷性ショックにつながったとして、検察側が強盗致死罪の成立を主張したことを伝えています。
札幌地裁も、金品を奪う意図が生じた後の暴行が長谷さんの死亡につながったと認定し、強盗致死罪が成立するとの中間判断を示しています。
そのため、父親の過去の発言と、事件当日の行動は分けて見る必要があります。
直接的な原因とは報じられていない
父親の「殴られたら殴り返せ」という発言が、今回の事件を引き起こした直接的な原因だったとは、主要報道では確認できていません。
報道されているのは、川村葉音被告が高校時代にいじめを受けていたこと、父親がその時に反撃を促すような言葉を伝えていたこと、そして裁判でその証言が出たことです。
事件の責任や量刑については、父親の言葉だけではなく、事件当日の行動、被告らの役割、被害者の死亡結果、反省や謝罪の有無など、複数の事情から判断されることになります。
川村葉音被告の父親は法廷で他に何を話した?
川村葉音被告の父親は、「殴られたら殴り返せ」発言以外にも、法廷でさまざまな質問を受けています。
報道では、謝罪や賠償行為、事件を知った時の気持ち、川村葉音被告との連絡状況なども伝えられました。
父親の証言全体を見ると、単に教育方針だけでなく、事件後にどう向き合うのかも問われていたことが分かります。
被害者と遺族に謝罪
HBC北海道放送によると、父親は証人尋問の冒頭で、被害者と被害者家族に迷惑をかけたとして謝罪しました。
また、UHB北海道文化放送も、父親が「被害者とご遺族に多大な迷惑をかけてどうもすみませんでした」と謝罪し、遺族の心情について声を震わせながら語ったと報じています。
法廷では、父親自身の思いだけでなく、被害者遺族にどう向き合うのかが問われていました。
賠償行為についての考え
父親は、償いについても質問を受けています。
HBC北海道放送では、父親が「真摯に向き合い、できるだけの賠償の交渉をしたい」という趣旨の証言をしたことが伝えられています。
一方で、賠償の持ちかけはしていなかったとも答えています。
そのため、父親には賠償への意向はあるものの、実際にどのような形で進むのかは、現時点でははっきりしていません。
交友関係は把握していなかった
父親は、川村葉音被告の交友関係についても質問されています。
HBC北海道放送によると、父親は交友関係を把握していなかったと答えています。
また、八木原亜麻被告との関係も知らなかったと証言しています。
一方で、事件のころには川村葉音被告と電話やメールで連絡を取っていたことも報じられています。
親子として連絡は取っていても、交友関係や事件につながる状況までは把握できていなかったようです。
強盗致死罪と今後の裁判は?
川村葉音被告の父親の発言が注目された裁判は、強盗致死罪などに問われる重大事件の裁判です。
「殴られたら殴り返せ」という発言の意味を考えるうえでも、裁判で何が問われているのかを押さえておく必要があります。
ここでは、強盗致死罪の重さと、今後の裁判の流れを見ていきます。
強盗致死罪は刑法240条に規定
強盗致死罪は、刑法240条に規定されています。
e-Gov法令検索に掲載されている刑法240条では、強盗が人を死亡させた場合について、死刑または無期拘禁刑に処すると定められています。
今回の事件では、札幌地裁が強盗致死罪の成立を中間判断で示したことにより、量刑が大きな焦点になっています。
法律上、非常に重い罪であることから、父親の証言や謝罪、賠償への姿勢も法廷で確認されたとみられます。
検察側と弁護側の主張
FNNプライムオンラインによると、検察側は、川村葉音被告が主犯格の男にトラブルの内容を伝え、事件の発端となったなどとして、役割は重大で酌量すべき事情もないと主張しています。
一方、弁護側は、川村葉音被告の行為が長谷さんの死という結果にどれだけ影響したかを考慮すべきだと主張しています。
また、STV札幌テレビでは、弁護側が川村葉音被告の高校・大学時代のいじめ経験にも触れ、情状酌量を求めたと報じられています。
父親の「殴られたら殴り返せ」発言も、この情状面の審理の中で出た証言の一つです。
判決は6月25日に予定
STV札幌テレビは、川村葉音被告の論告・弁論が6月5日に行われ、滝沢被告、少年に対する審理をそれぞれ実施した後、6月25日に判決が言い渡されると報じています。
判決では、事件当日の行動や被告らの役割、被害者の死亡結果、反省や謝罪、情状面などが総合的に判断されることになります。
父親の証言がどのように評価されるのかも、判決で注目される点の一つです。
まとめ
川村葉音被告の父親が語った「殴られたら殴り返せ」という発言は、強い言葉として注目されています。
ただし、報道を確認すると、この発言は事件当日の暴行について語られたものではなく、川村葉音被告が高校時代にいじめを受けていた時の対応として出た証言でした。
父親は、いじめを受けていた川村葉音被告に対し、「やられたらやり返す」ように伝えていた一方で、暴力については「ケースバイケース」とも話していたと報じられています。
今回確認できた内容をまとめると、次の通りです。
・川村葉音被告の父親は、2026年6月3日の裁判員裁判に証人として出廷した
・「殴られたら殴り返せ」発言は、高校時代のいじめに関する質問の中で出た
・父親は、学校に相談したことも証言している
・STV札幌テレビでは、父親が「ケースバイケース」と伝えていたことも報じられている
・川村葉音被告はいじめを受け、「死にたい」とほのめかしていたという父親の証言もある
・ただし、父親の発言が今回の事件の直接的な原因だったとは確認されていない
・札幌地裁は、川村葉音被告らについて強盗致死罪が成立するとの中間判断を示している
・判決は2026年6月25日に予定されている
「殴られたら殴り返せ」という言葉は、たしかに印象が強いです。
ただ、今回の裁判で問われているのは、父親の教育方針だけではありません。
長谷知哉さんが亡くなった事件の経緯、川村葉音被告らの行動、強盗致死罪の成立、そして量刑が大きな焦点になっています。
父親の発言は、川村葉音被告の過去や家庭内での関わりを知る証言の一つとして受け止める必要があります。