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【2000年9/21~9/29初めての海外一人旅】8日目|バンコク市場巡りと夜のバッポンで感じた旅の面白さ

2026年5月13日

この日は特に大きな予定を入れず、市場を中心にぶらぶら観光することに決めていた。旅も終盤に入り、観光名所を急いで回るより、その街の空気を感じながら過ごしたい気持ちのほうが強くなっていたのだと思う。

ホテルを出ると、相変わらずタイらしい暑さだった。朝から気温は高く、日差しも強い。それでも数日過ごしているうちに、身体は少しずつこの気候に慣れてきていた。

途中、公園に寄ってみると、ジョギングをしている人たちが多かった。朝から元気に走る姿を見ると、この国の人たちの活力を感じる。私はというと、ベンチに座ってしばらく景色を眺め、そのまま少し昼寝をしてしまった。

旅先でこうして何もせずに過ごす時間というのは、意外と贅沢だ。日本にいたら、せっかく来たのだから何かしなければと思ってしまう。しかし一人旅では、誰にも合わせる必要がない。眠たければ寝ればいいし、気が向かなければ歩くだけでもいい。

バンランプー市場でお土産探し

昼過ぎになり、バンランプー市場へ向かった。

市場へ入ると、雑貨や洋服、日用品、食べ物まで、ありとあらゆる物が所狭しと並んでいた。整然とした日本の商店街とは違い、ごちゃごちゃしているのに妙な活気がある。

歩いているだけでも十分楽しい。

友人へのお土産をいくつか探しながら歩いた。キーホルダーやTシャツ、小物など、タイらしい商品がたくさん並んでいる。ただし、観光客相手だと最初の値段はかなり高めに言ってくることも多い。

最初の頃は言われたまま買ってしまいそうだったが、この頃には少し慣れてきていた。笑いながら値段交渉をしたり、一度その場を離れてみたり。そうすると案外すぐに値段が下がる。

市場という場所は、その国の暮らしや人柄がよく見える場所だと思う。観光地以上に、その国の日常が詰まっている。

夕方になると一変するバッポン

夕方が近づく頃、バッポンへ向かった。

ここは昼と夜でまるで別の顔を持つ街だった。昼間は静かで普通の通りなのに、18時近くになると突然大量の荷物が運び込まれ、露店の準備が一斉に始まる。

私はしばらくその様子を眺めていた。

机が組み立てられ、商品が並べられ、ライトが灯り、人が増えていく。まるで劇場の舞台裏を見ているようだった。

そして日が沈む頃には、通り全体がネオンと熱気に包まれる。

「ロレックスあるよ」
「安いよ、見るだけ」

そんな日本語があちこちから飛んでくる。観光客慣れした街だとすぐ分かる。

怪しいTシャツを買ってしまった夜

露店を見て歩いているうちに、怪しいTシャツを3~4枚買ってしまった。

日本の店の名前が入っていたり、どこかで見たようなロゴが使われていたり、今思えばかなり微妙な品ばかりだった。

その場の雰囲気というのは恐ろしい。

旅先では「今しか買えない」という気持ちになってしまうし、少し財布の紐も緩くなる。結局、帰国してしばらくしたあと、そのTシャツは全部処分することになったのだが、それもまた思い出である。

屋台ごはんの温かさ

お腹が空いたので、屋台で夕食を取ることにした。

鳥のから揚げを注文すると、おばさんが笑顔でライスも付けてくれた。サービスだったのか、見かねて付けてくれたのかは分からないが、こういう優しさはうれしい。

味も素朴でおいしかった。高級レストランでは味わえない、その土地の生活に近い味だった気がする。

海外では言葉が通じなくても、人の親切さは伝わる。むしろ言葉が少ないぶん、その優しさがより強く心に残るのかもしれない。

マクドナルドで出会った日本人女性

食後、喉が渇いたのでマクドナルドへ入った。

並んでいると、前にいた日本人女性が困っている様子だった。すぐに理由が分かった。ストローが見つからないのだ。

日本では飲み物と一緒にもらえることが多いが、海外では別の場所に置いてあり、自分で取るスタイルも多い。

私は自分の分と一緒にストローを取り、彼女に渡してあげた。

少し話してみると、ツアー旅行中だが今日は別行動しているとのことだった。年齢は30歳前後だったと思う。タイに来たばかりで、タクシーにぼったくられたと苦笑いしていた。

その後、Tシャツを買いたいというので少し付き合うことになった。私が英語で値段交渉を手伝い、なんとか最初の提示額の3分の1くらいまで下げてもらった。

それでもまだ高かった気はするが、彼女が喜んでいたのでそれで十分だった。

まだ帰りたくなくてもう一軒

彼女と別れたあと、バーでビールを一杯飲み、そのままホテルへ戻ろうと思った。

だが、まだ少し飲み足りない。

せっかくのバンコクの夜だ。もう少し歩こうと思い、ソイ・カウボーイ方面まで足を延ばした。

近くのバーに入ると、客はおらず、ママさんが2人いるだけだった。静かな店内でビールを飲みながら、たわいもない会話を楽しんだ。

途中、洋服を売りに来た商人が通りかかると欲しそうにしていたので、女性につい100バーツほどの服を買ってプレゼントした。

なぜそんなことをしたのか、今となってはよく分からない。ただ旅先では、少しだけ気持ちも財布も大きくなるものだ。

まとめ

この日は有名観光地を巡ったわけではない。市場を歩き、屋台で食べ、夜の街を眺め、人と少し話した。それだけの一日だった。

でも、こういう日こそ旅らしい。

豪華な観光地より、街の暑さや匂い。レストランの料理より、屋台のおばさんの笑顔。そういう何気ない出来事のほうが、長く記憶に残るものだと思う。

初めての海外一人旅も、いよいよ終盤。

少しずつ、この旅が終わってしまう寂しさを感じ始めていた。

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